「歩行」に関する評価方法
動物が位置を移すための運動を移動(ロコモーション)といい、直立での二足移動は人間特有で「歩行」と呼ばれています。「歩行」は、重力に抗って立位姿勢を保ちながら全身を移動する複雑な動作ですが、人間にとって基本的な運動といえます。
(対象範囲)
基本運動であるがゆえ、「歩行」に焦点を当てた商品や対象の幅は広い。
・対象アイテム : 靴、ソックス、インソール、コンプレッションインナーなど
・対象機能 : 運動負荷UPや歩行効率UP(歩行アシスト)など
・対象者 : 一般、高齢者、病的歩行者(神経障害や筋骨格系障害)など
(評価項目)
①動作解析 : 重心移動、歩幅(ストライド)、速度(ケイデンス)、足角、関節角度など
②筋電図測定 : 下肢(臀部、大腿前・後、下腿前・後)、体幹(脊柱起立筋、腹直筋)など
③呼気代謝・心電図測定 : 消費カロリー、運動強度(心拍数)など
④足圧測定 : 足圧分布(最大圧・平均圧・接触面積)、COP(圧力中心点軌跡)など
インソール型のセンサーで靴の中にセンサーを入れることでリアルタイム(最大100コマ/秒)に足圧分布を計測できます。立位・歩行だけでなく、ジャンプやランニングダイナミックな動きでの計測も可能です。
⑤床反力
地面から足に加わる力を床反力といいます。フォースプレートの上を歩くと「かかとが着地」から「つま先が離れる」までの間、人間が地面からどのように力を受けているか(力の大きさと方向)がわかります。例えば、歩行の場合、足にかかっている最大負荷(垂直方向の床反力の最大値)は体重の約1.2倍程度といわれていますが、これが小さいほど足への負荷が小さく、けがの発生リスクが少なくなるといえます。